・突然の高度な頭痛とめまい発作を認め、受診しました。受診時のMRIにおいて脳血管の攣縮(れんしゅく)を認めました。稀ではありますが、この様に強烈な脳動脈の攣縮を、認める症例があります。
・この攣縮の程度と時間によって、片頭痛発作時に脳梗塞を発症することがあります。
・当院では年間に1例ほどの頻度でその様な症例を経験することがあります。
・この攣縮を予防できる薬が塩酸ロメリジン(テラナス或いはミグシス)というお薬です。片頭痛の予防には重要なお薬です。
片頭痛発作時に脳血管の痙攣縮を認めた症例(脳の動脈が狭くなったように見えます)
正面から見た脳の血管(左)、下から見上げた脳の血管(右)
片頭痛発作時のMRA(左)、発作間欠時のMRA(右)
片頭痛発作時に認めた脳血管の攣縮(左の画像)が発作が消失した間欠時の検査では完全に消失しております(右の画像)。
片頭痛発作時のMRA(左)、片頭痛間欠時のMRA(右)
片頭痛発作時に認めた脳血管の攣縮(左の画像)が発作が消失した間欠時の検査では完全に消失しております(右の画像)。
2015.07.29更新
片頭痛発作時に脳血管の異常を認めた38歳の女性
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2015.07.29更新
片頭痛患者の脳の変化
10年ぶりに頭痛発作で受診した67歳の男性
10年前のMRI(左)、今回のMRI(右)
・片頭痛は脳血流に異常を引き起こす疾患です。
・今回の症例の様に明らかに脳血流障害の悪化を認めることがあります。
・十年の経過で脳の血流障害が進行する症例が存在します。
・片頭痛の患者さまは定期的にMRI検査を行い、脳の変化を観察することが重要です。
・MRIの画像で血流低下を認める症例は片頭痛の予防薬である塩酸ロメリジン(テラナス、ミグシス)の投与をお勧めします。
・この治療で血流障害の進行を抑えることが可能です。
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